外壁塗装の効果と寿命
公開日 :2021/07/15
最終更新日:2022/01/15
外壁塗装は経年劣化によって色あせてきます。「建物が古く見えてしまうからどうにかしたい」という方も多いのではないでしょうか?
今回は、外壁塗装が色あせてしまう原因と対策、予防方法をご紹介します。
外壁塗装が色あせする原因
外壁塗装が色あせする主な原因は紫外線です。
塗料の色の元は「顔料」と呼ばれるもので、他の物質と同様に分子同士が結合して形成されています。
しかし、紫外線の強いエネルギーを受けると顔料の化学的な結合が切断され、本来の色が出せなくなってしまいます。
これが塗料の色あせの原因になるため、日当たりが良い場所は色あせも起きやすくなるのです。
色あせしやすい色には、原色に近い鮮やかな色や暖色系の色が該当します。
色あせしやすい色TOP3
1位 赤
最も色あせしやすい色は赤です。
暖色系が色あせしやすいことと原色に近く鮮やかなので、紫外線にとても弱いです。
東京タワーの赤色も5年に一度塗り替えられています。
2位 黄色
近年人気の黄色も早く色あせが起きてしまう色のひとつです。
鮮やかな黄色ほど色あせしやすく、クリーム色の方がやや色あせが目立ちにくいといえます。
3位 緑
緑色も色あせしやすいと言われています。
原色に近い明るい緑を使うと色あせが目立ちますが、ダークグリーンやモスグリーンなど多少トーンを抑えた緑を使うと持ちが良くなります。
外壁塗装が色あせした時の対処法
外壁の色が変わってしまったという場合、汚れか変色の2種類の原因が考えられます。
汚れやカビ、藻などが原因で変色しているように見える場合は、洗浄だけでキレイな状態になります。
一方、塗装自体が変色している場合、色だけをもとに戻す方法はないのが現状です。
色あせを直したいのであれば塗り替えが必要になります。
なお、外壁塗装工事から2年~3年で塗料の色あせが見られた場合、本来の耐久性から考えて明らかに劣化が早いので、施工や塗料自体に問題があった可能性が考えられます。
色あせの予防方法
「できるだけ塗装をキレイな状態で長持ちさせたい」という方がほとんどだと思います。
塗りたてのようなツヤと発色を長期間保つために、色あせの予防方法をご紹介します。
変色しにくい色を選ぶ
実は、塗料の種類が同じでも、色によって色褪せのしやすさに違いがあります。
色によって顔料の結合の強弱が異なるためです。
色あせしにくいおすすめの色もあるのでTOP3を見ていきましょう。
色あせしにくい色TOP3
1位 白
白が最も色あせしにくい色です。
白は太陽光を吸収しにくい特性があるため紫外線の影響を受けにくいです。
しかし白は汚れが目立ちやすいというデメリットもあります。
2位 黒
黒も白に次いで色あせしにくい色です。
色の原子の結び付きが強く紫外線に強い特性があるのですが、黒もまた雨染みが目立ちやすいほか、艶がひけてくると色あせたように見えてしまうという難点があります。
3位 青
青も色あせしにくい色ですが、白や黒と違って汚れが目立ちにくいという特徴もあります。
水色などは家が明るく見え人気色なので、メンテナンスの手間を省きたい場合は青系の色を選ぶのも良いかもしれません。
変色に強い塗料を選ぶ
塗料の種類によっても、耐久性や変色のしやすさが違います。
たとえば以下のような特徴があります。
塗料の種類 | 特徴 |
---|---|
フッ素塗料 | 耐久性が非常に高い。紫外線をはじきやすいので顔料の結合が破壊されにくく、色あせしにくい。また汚れにも強い。高性能だがその分高価。 |
シリコン系塗料 | 塗料の中でも光沢保持率が高い。機能とコストのバランスがいいのが特徴。 耐久性は高いが、フッ素塗料に比べればリーズナブルで選ぶ方も少なくない。 |
アクリル系塗料 | 耐久性自体は低く耐用年数も短い。しかし光沢保持性、保色性は高いので、 耐用年数の間は変色しない可能性が高い。塗料の中でも安価な部類。 |
このようにそれぞれ性質が異なるので、予算の範囲内でできるだけ変色しにくい塗料を選ぶようにしましょう。
腕の良い業者を選ぶ
手抜き工事や施工時のミスが塗装の変色につながる可能性もあります。
たとえば以下のようなケースです。
・塗料の希釈が適切でなかった
・下地処理が不十分だった
・塗料がしっかり乾燥しないまま上塗りをした
・薄塗りをしすぎた
技術力が乏しい業者に依頼すると、このような不備が出る可能性があります。
変色だけでなく、外壁の剥がれや浮きの原因にもなるので、できるだけ丁寧に作業してくれる業者を選ぶことが大切です。
色あせがひどいときは塗り替え時期
塗膜は段階的に劣化していきます。
1. 変色・色あせ
まず紫外線を受けた塗料が変色し始めます。
2.チョーキング現象
塗料を手で触ると白い粉がつくようになります。これはチョーキング現象と呼ばれ、防水効果が切れてきたサインです。
3.クラック
塗膜のひび割れが起こり始めます。外壁に雨などが侵入する原因となります。
4.剥がれ、浮き
塗料がところどころ剥がれてきたり、大きなクラックが見られたりするようになります。
この段階ではすでに、塗装が本来持っている機能を果たしていません。
変色だけならまだ問題ありませんが、チョーキング現象が見られてきたら注意しましょう。
外壁が全体的にチョーキング現象を起こし、クラックが見え始めたくらいでは少し遅いぐらいです。
家屋に大きな影響が出る前に、早めに塗り替えを検討しましょう。
まとめ
外壁塗装は、紫外線の影響で徐々に変色してきます。
変色だけであればまだ大きな問題はありませんが、チョーキング現象などの劣化のサインが見られるようになったら、塗り替えを検討しましょう。